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医療機器メーカーが開発したeQMS?その開発秘話にせまる!

〜現場の課題から生まれたQMSmart〜

株式会社Berry代表取締役 中野 裕士
医療機器メーカーが開発したeQMS?その開発秘話にせまる!

高額なeQMSは導入できない。かといって紙の管理では限界がある」——多くの医療機器メーカーが直面するこのジレンマ。QMSmartは、まさにその課題を抱えていた医療機器メーカーが、自社の問題を解決するために開発したソフトウェアだ。

開発元の株式会社Berryは、赤ちゃん向けの頭蓋形状矯正ヘルメットを製造販売する医療機器メーカー。一品一様のカスタムメイド製品を扱う中で、QMS運用の効率化は切実な課題だった。ソフトウェアエンジニア出身の中野社長は、なぜ自らeQMSの開発に踏み切ったのか。その開発秘話を聞いた。


一品一様のオーダーメイド製品が突きつけた、QMS運用の壁

──QMSmartを開発しようと思ったきっかけを教えてください。

中野氏: 弊社は赤ちゃん向けの頭蓋形状矯正ヘルメットという医療機器を製造販売しています。これが少し特殊な製品でして、赤ちゃんの頭の形を3Dスキャンして、3Dプリンターで一つ一つオーダーメイドで作っていくんです。寸法も色も柄も、すべて異なる。一品一様の製品なので、製造工程の管理に非常に大きな課題を抱えていました。

少人数で回している中で、どう効率化するかが大きなポイントでした。加えて、QMSや薬事の経験者もほとんどいなかった、勉強しながら一つ一つ構築していくしかなかった。道に迷いながら、手探りで進めていたんです。

──具体的にはどのような課題がありましたか?

中野氏: 社内でもQMSの知識がある人とない人の差が大きくて、例えばCAPAを回そうと思っても「何を書いていいかわからない」という声が出る。優先度も理解されていないので、なかなか進まない。手順書の更新もタイムリーにできていませんでした。当時は紙で管理していたので、どう効率化できるかずっと悩んでいました。


年間1,000万円超のeQMS、機能は限定的——「なら自分で作ろう」

──既存のeQMSソフトウェアの導入は検討されましたか?

中野氏: 実は私はソフトウェアエンジニア出身なので、何とか効率化できないかとソフトウェアを探していました。eQMSというよりは、製造工程の効率化という文脈で探していたんですが、特にヘルスケア・QMS特化のものは海外製品を含めて見ても非常に高額でした。年間1,000万円近くかかるものもある。

しかも、高くても機能が限定的だったり、自社のフローに合わなかったりする。それなら自分で作って、自社のフローに合うように設計した方がいいんじゃないかと思ったのが始まりです。

お金があれば状況は違ったかもしれませんが、年間1,000万円近くかかるソフトウェアを、しかも機能が限定的なものを導入するのは難しい。であれば、自分たちで開発して効率化していこうと決めました。


「同じ課題を抱えている会社がこんなにある」——外販を決めた理由

──自社用ツールを製品として外販すると決めた経緯を教えてください。

中野氏: QMSmartの前身となるソフトウェアを作って自社で運用していく中で、同じ業界の方々、特にスタートアップや中小企業の方とお話しする機会が増えました。すると、やっぱりQMSを課題に感じている方がすごく多かった。ほとんどの方が紙で運用していて、課題感は共通していたんです。

これはもしかすると、私たちが作ったシステムを提供すれば価値が出るんじゃないかと。QMSがうまく回れば、製造が効率化されるだけでなく、問題があった時の改善がスムーズになる。あらかじめリスクを排除した設計ができる。QMSを超えて会社全体が良くなるということは、私たち自身が肌で感じていました。

弊社は「医療格差をゼロにしていく」ということをパーパスとして掲げています。医療機器メーカーを後押しすることで、良い製品が世に出て、品質不良が減っていく。その世界観を体現するために、製品を外販していくのは非常に自然な意思決定でした。


Part11・ER/ES指針への準拠——「なんとなく作る」では済まない壁

──開発で特に苦労したことはありますか?

中野氏: QMSでソフトウェアを利用するには、特に記録や文書を管理するためには、Part11やER/ES指針に準拠する必要があります。これを意識せずに「なんとなく簡単な管理機能を作る」のは簡単なんですが、規制への準拠を踏まえて設計・開発していく。これが最初の大きな壁でした。

本当に多くの方のサポートを受けて、知恵を借りながら設計を進めていきました。

──その後はどのように開発を進められましたか?

中野氏: まずは文書管理から始めました。SOPを管理して、誰でも見られるようにする。ただ、社内で使ってもらうと意見が分かれるんです。「こう使った方がいい」「これは使いづらい」と。

プロトタイプを作って実際に使ってもらい、フィードバックをもらって改善する。その繰り返しを社内でディスカッションしながら進めていったのは、時間のかかった部分でした。

そうしているうちに、「記録管理もできた方がいい」「イベント管理もここでやりたい」という声が出てきて、徐々に機能が追加されていきました。


文書・記録・教育訓練・品質イベント——「連携」へのこだわり

──特にこだわって作った機能はありますか?

中野氏: 大前提として、文書管理だけで終わるシステムでは意味がないと思っていました。文書管理ができるのは最低ライン。そこから記録の電子化、教育訓練、品質イベントの管理——これらがうまく連携しないと、QMS全体の中で一部だけQMSmartを使っていても、本当の効率化にはならない。

文書管理、品質イベント管理、教育訓練が連携して機能する仕組み。ここはすごくこだわって作った部分です。


AI機能搭載は「運に恵まれた」——進化するテクノロジーとの出会い

──AI機能を搭載した理由を教えてください。

中野氏: QMSmartを作り始めた当初、AIは出てきてはいましたが、そこまで精度が良くなかった。ただ、開発を進めていく中で、どんどんAIが良くなっていったんです。運に恵まれたと思っています。

ChatGPTなどを業務で使うことも増えていく中で、これをQMSmartの流れにうまく組み込めれば、より効率化できるんじゃないかと考えて搭載しました。

ただ、QMS製品はセキュリティやデータの取り扱いが非常に重要です。弊社ではAWSのBedrockという仕組みを使って、信頼性を担保しつつ、セキュアな形でAI機能を提供しています。


50社へのインタビュー、そして「自分たちがユーザー」という強み

──「使いやすさ」にこだわったとのことですが、具体的にはどのような工夫をされていますか?

中野氏: 結局、私たち自身がユーザーだということが最も重要だと思っています。自分たちが使いにくければ、当然お客様にも使っていただけない。とにかく現場で使いやすいもの、ITに詳しくない方でも自然と使えるものを目指しました。

中には毎日使わない方、週に1回、月に数回しか触らない方もいらっしゃいます。そういった方でも、すぐに操作がわかる。シンプルなUI、わかりやすい動線を意識しました。

とはいえ、弊社はクラス2の製品のみを扱っているので、自社の使い方だけにこだわっていても不十分です。開発段階では、50社近い医療機器メーカー様にインタビューをさせていただきました。どういったニーズがあるのか、どういう機能であれば効率化されるのか。ヒアリングを重ねながら、試行錯誤を繰り返してきました。


「導入されないと意味がない」——価格設定に込めた思い

──価格設定についてお聞かせください。

中野氏: 単純に、他のソフトウェアがすごく高かったからです。スタートアップや中小企業にとって、年間数百万円、場合によっては2,000万円を超えるようなソフトウェアは、なかなか導入できません。

弊社では企業規模に応じた価格体系にしていて、例えばスタートアップ向けのプランは月10万円から。言い方は悪いですが「アルバイトを雇うくらいの価格」です。でも、その価格で確実にそれ以上の価値が出る。

一番大事なのは、医療機器メーカーに効率化してほしいということ。導入されないと意味がないので、企業規模に関わらず導入しやすい価格帯に設定しました。


「医療機器メーカーが作った」という意味——知識なきエンジニアには作れない

──QMSmartを「医療機器メーカーが開発した」ということの意味は何だと思いますか?

中野氏: 私たち自身が実務を理解して作っている、ということです。QMSは使いやすさだけでなく、法規制やISOなどの規格要件が深く影響してきます。知識のないエンジニアが設計し、ブラッシュアップしていくのは非常に難しい。そこが一般的なITベンダーのものとは大きく違うところだと思います。

また、弊社はエンジニアもすべて社内メンバーで内製化しています。開発・改善のスピードは本当に早いと思います。QMSの知識を持ちながら、現場の課題を意識して開発を進められる。これは他にはない強みだと思っています。


「紙がない」と驚かれたISO審査——QMSmartで受けた適合性調査

──実際に自社でQMSmartを使ってISO審査を受けられたそうですね。

中野氏: はい、弊社のISO 13485の審査は、実はQMSmartで受けています。

面白いエピソードがあるんですが、審査初日、弊社はほとんどの文書と記録がQMSmart上にあるので、持参したのはバインダー1つとパソコンだけでした。審査官の方に「この会社は記録がほとんどないんじゃないか」と驚かれたそうです(笑)。

でも実際にQMSmartの画面をお見せしながらご説明して、問題なくパスしました。記録も文書もすぐに検索して示せる。まさに私たちがやりたかったことを体現できた瞬間でしたね。


「QMSといえばQMSmart」を目指して

──QMSmartを通じて、どのような企業に価値を届けたいですか?

中野氏: やはりスタートアップや中小企業です。導入したくてもできなかった、紙からなかなか脱却できない、かといって人を採用しようと思ってもできない。そういった企業に、本当に価値を届けたい。

QMSがうまく回るようになって、製品が進化して、新しい製品が生まれて、医療機器産業がより大きく成長していく。その一助になれればと思っています。

──今後、QMSmartをどのように進化させていきたいですか?

中野氏: QMSmartはまだ道半ばだと思っています。組織によってQMSの形は様々ですが、QMSの運用のすべての部分で、QMSmart上でスムーズにできるようにしたい。「QMSといえばQMSmart」と言っていただけるような製品に進化させていきたいですね。

まずはちょっとしたQMSの相談くらいでも構いませんので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。


(取材・執筆:株式会社Berry)

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